私のジャズコレクション
- その1 -
プロローグ
 ジャズ関連のコレクションといえばレコード、CDに始まりヴィデオ、写真、雑誌、そして特殊な分野でジャズマンの手紙や、サインといった物だろう。その中で主だったコレクションとなると普通はレコードとCDだが、レコードのなかにはLPやEP、そしてSPのフォーマット(トランスプリクションなどもある)がありコレクションの対象としては幅広く、また一般的だろう。中にはSPのみを中心に蒐集している方もいるにはいるが、これは少数派でやはりLP(これにも12インチと10インチがある)が圧倒的に中心となる。


 私も長くジャズに親しんできたから多くのコレクターの方々の知り合いもいるが、各々独自のコレクションを自慢にされている。オリジナル盤専門、ある種のレーベル専門、ある種のプレーヤー専門、珍盤や奇盤、そして数で勝負のコレクター。多くの場合コレクター(ジャズの)は男性で、いまだかって女性の凄いコレクターにはお目にかかったことはない。勿論女性の中にも、お気に入りのプレーヤーのレコード、CDを音楽本位で集めていらっしゃるかたも何人か知っている。彼女達の好みのプレーヤーはチェット・ベーカーやヤン・ラングレンといった雰囲気のある、あるいはマスクの良いプレーヤーが中心で(勿論音楽優先)、「ケニー・ドーハムやアート・ブレイキーが好きで好きで、、、」という女性にもいまだかってお目にかかったことが無い。


 さて私も昔はかなり熱心にレコードと雑誌を集めていた。高校生時代はお小遣いの許す範囲でバド・パウエル、リー・コニッツ、スタン・ゲッツといったところを中心に集めていたが、今から思い出すと最初に買ったジャズのレコードは中学2年の時、鈴木章冶の10インチLP“鈴かけの径”だった。このレコードはおかしなレコードで、センターラベルが逆に貼られており、つまりレコードのA面にはB面のラベルが間違って貼ってあった。そしてその次に買ったレコードは一気にブルーノートのバド・パウエルの“クレオパトラの夢”が入った“シーン・チェンジズ”に飛び、通学するときもこれをむきだしにして学生カバンと一緒に右手に持って格好をつけていた。それ以来2000枚ほどのレコードや800本ほどの未発表テープ(カセット)、海外の雑誌1000冊ほど集めたのだが、今から20数年前、思いもかけぬ2度の火事でLP1枚を残して灰となった。しかしこの時は不思議と残念と思わなかった。それよりも火事により発生した様々な解決しなければならぬ問題が山とあったので、自分のレコードのことなどかまっていられなかったのだ。


 それでも徐々に問題が解決されてくると、夜、布団の中で無くなったコレクションに思いがおよび寂しい気になったものだ。そしてそれからは、無くてはならぬ基本的なレコードだけを集めるようになり、いわゆるコレクターズアイテムといわれる種類のレコードには全く(!!)関心が無くなった。ただ未発表演奏のテープにはやはり未練があったらしく、その後も性懲りも無く又集めだして現在1000本(90分カセット)がある。これからジャズつれづれ草で“私のジャズコレクション”をシリーズで続けていこうと思っているが、未発表の音源や映像を中心にご紹介していく予定だ。もしこの拙文をお読みの方の中に交換ご希望の方があれば、可能な範囲で交換もさせていただく。