思い出のコンサート
- その2 -
DEXTER GORDON-JOHNNY GRIFFIN
ROLAND KIRK
AT TIVOLI CONCERT HALL
1967年の8月16日、デンマーク コペンハーゲンにある有名なチボリ公園にある、Konsertsal(Concert Hall)で面白いジャズコンサートがあった。それは、第一部、Roland Kirkのカルテット、第二部がDexter Gordon-Johnny Griffinのクインテットで、ステージから6列目で楽しんだ。


Kirkのグループのメンバーは、Kirkの他に、Ron Burton(p),Bob Cunningham(b), Walter Perkins(ds)で、Ron Burtonに手を引かれて盲目のKirkがステージに現れた。私はKirkを聴くのが初めてだったので、興味深々,演奏が始まるのをまった。目の不自由なKirkがどの様にマイクの位置を探し当てるか見ていると、器用に手でマイクを確認、マイクに向かって相撲の“しこ”を踏むように、右足を踏んで演奏は始まった。その日Kirkは計7曲演奏した筈だが、後日ラジオで放送された時には、5曲だけオンエアーされている。


演奏曲はYou Did It,You Did It, Creole Love Call,Ow,Cousin Mary等で、特に印象に残っているのは、Creole Love CallとCousin Mary。前者では、ドラマーのPerkins がソロで、シンバルを抱え込み、チューニングを変えて、唸りながらマレットを叩き、とても受けていた。また、Kirkがマイクの前を動き回り、聴衆がざわめいていたの を思い出す。そしてCousin Maryでは、約一月前に死んだ<John Coltraneに捧げる>といって、Cousin Maryのメロディにあわせて<John Coltrane, JohnColtrane, ??????,John Coltrane>と歌っていた。


 一方第二部のメンバーはDexter Gordon, Johnny Griffin(ts), Tete Montoliu(p), そしてNiels -Henning Pedersen(b),Albert“Tootie"Heath(ds)の5人。2日前までKenny Drew(p),Arthur Taylor(ds)が共演していたのだが、このコンサート前日、“カフェ モンマルトル”ではMontoliu,Heathだったから、このコンサートの為にリハーサルしたものだろう。


このコンサートはまずMontoliuのトリオでIsrael、そしてGriffinが加わりExactly LikeYou, GordonがGriffinに代わりLike Someone In Love、そして最後に全員でBlues Up And Downを演奏した。ちなみに、こちらも後日オンエアーされている(全曲)。とにかく私がビックリしたのは、Long Tall Dexterと いわれたGordonの長身(193cm)と、一方Little Giantと称されたGriffinのかわいさ(?。158cm。?)身長35cmの差が並ぶと、大人と子供以上に見えたものだ。ところがどっこい、Blues Up DownでのGriffinの音量はGordonのそれを凌ぎ、Little Giantの面目躍如といった迫力だった。しかし私が一番印象深かったのは、IsraelにおけるPedsersenの驚異的なプレー。テーマがでてくる前、イントロをウォーキイントロをウォーキングベースでワンコーラスひいたのだが、これが物凄かった。全くこの頃のPedersenの素晴らしさは形容のしようがない。


そんな素晴らしいコンサートが、当時のお金で、約1200円(邦貨)で聴けたのは、ラッキーだった。だいたい当時は“カフェモンマルトル”でKenny Drew のトリオで350円の入場料、Drew のトリオ、プラスDexter Gordonで480円ぐらいだったし、それを目の前2m位で楽しめたのだから今から思えば夢のような話である。